2019年11月1日金曜日

虫愛づる姫君

こんにちは、寒くなってきて朝起きられない跳躍1年西川です。冬は嫌いです。冬のいいところって虫が少ないことぐらいでしょうか。ゴキブリも寒さに弱いらしいですしね。今回はそんな虫に関連させながら冬季練の抱負を少し真面目に書きたいと思います。
 『堤中納言物語』ってご存知でしょうか。この短編物語集は平安末期から鎌倉前期にかけて書かれたと言われていますが、かなりトリッキーな作品で、当時の本が人力の写しで作られていることを逆手に取った様々なトリックが散りばめられています。それを考えて読むと令和のいま読んでみても新鮮さがある不思議な作品です。
 その短編物語の代表作『虫愛づる姫君』は、毛虫などの人が気味悪く思うような虫を好む姫君がいて周りの人に呆れられているというお話です。物語の本質とは少しずれてしまいますが、物語にはこんなシーンがあります。
 
 毛虫の成長を嬉々として観察する姫君に親や侍女が普通の女性は蝶や花などの綺麗なものを好むべきだと諭したところ、姫君は「毛虫から蝶になる過程が大事なのです。毛虫の時期があるから蝶になります。毛虫の時にしか服を作るための糸は作れません。蝶になった時には全てが終わっていてすでに無意味で用済みです。蝶や花のような末端のことだけを追求するなんて無益で浅はかです。」と開き直ります。

 この言葉は物語ではただの姫君の屁理屈として片付けられていますが、的を得ていて、跳躍種目にも少なからず当てはまることだと思います。
 僕は今まで目に見えてわかる、やってる感が出る花形?っぽい練習に重点を置きがちでした。もちろん、上手な人の動画等を見て実践してみることも大切だとは思いますが、そのための身体作り、身体の使い方ができていなければ全く意味がないし、多分できないと思います。
 なので長いようで短い冬季の間、1つ1つのドリルやサーキットに意味を見つけて丁寧に行い、人が嫌がるような、面倒臭がるような地道な練習を辛抱強くこなしていきたいです。もちろんそんな練習を僕が1人で完遂できるわけがないので、先輩方の可愛がりと同期の協力を受けて春まで頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
 長くなりましたが以上で終わります。文章作成日の体重を添えて失礼します。
10月31日 体重63.6kg